乾癬とは、慢性の炎症性の皮膚疾患です。
国内に約40~50万人いる1,2)と考えられ、男性に多くみられます3)。その主な症状は、皮膚の赤みや盛り上がり、フケのような白いかさぶた、かゆみなどです。
乾癬が起こる原因は明らかにされていません。しかし、外敵から体を守る免疫作用の過剰な働きが、原因の一つであることがわかってきました。
乾癬は残念ながら完全に治る病気ではありませんが、治療で症状を抑えることができます。症状の軽い方はステロイドやビタミンD3の塗り薬を使います。中等症~重症の方では、体に害がない波長の紫外線をあてたり、ビタミンA誘導体や免疫作用を抑える薬を服用したりします。2010年からは生物学的製剤と呼ばれる注射薬が、乾癬治療に使えるようになりました。
乾癬の皮膚では、細胞の過剰な増殖によりターンオーバーが極端に短くなっています。
ターンオーバーとは、古い皮膚の細胞が新しい細胞によって押し上げられ、垢(あか)となってはがれ落ちる過程を指します。皮膚は、温度や乾燥、ウイルスなどの外敵から体を守る重要な機能を持っています。これらの機能を果たすため、皮膚では常に新しい細胞がつくられ、「ターンオーバー」を繰り返しています。
通常の皮膚におけるターンオーバーの周期は約28~40日ですが、乾癬の皮膚では約4~5日と極端に短くなっています。そのため、積み重なった角質がフケのようにボロボロとはがれてしまいます。
【ターンオーバーの日数】