日常生活の注意点
活動期の食事制限や日ごろの体調管理、できるだけストレスのない生活を心がけましょう。
潰瘍性大腸炎は良くなったり、悪くなったりをくり返す慢性疾患のため、薬物療法などの治療とともに、食事や生活面でも気をつけたいポイントがあります。
■食事について
活動期(症状があるとき)と寛解期(症状が落ち着いているとき)で気をつけたいポイントが異なります。
- 活動期
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- 消化が良く、高エネルギー・高たんぱく・低脂肪・低繊維食を基本とします
- 高たんぱくの卵や大豆、魚類を多く食べるとよいでしょう
- 高脂肪食、過剰な乳製品の摂取、不溶性食物繊維を多く含む野菜や豆類、きのこ類、海藻類の摂取は避けましょう
- 香辛料などの刺激物、コーヒー、アルコール類、炭酸飲料や冷えた飲料は控えましょう
- 重症からの回復期は流動食から開始し、徐々に粥食・普通食に移行します
- 重症、劇症の場合は食事を摂取できません。主治医の指示に従ってください
- 寛解期
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- 基本的には厳しい食事制限を行う必要はありませんが、各種の栄養素をバランスよく摂るとよいでしょう
- 暴飲・暴食、香辛料などの刺激物は避けましょう
- アルコール類は少量、コーヒーは薄いものであれば摂取できます
- 乳製品は下痢や腹痛を誘発することがなければ制限する必要はありません
日本炎症性腸疾患協会 編:潰瘍性大腸炎の診療ガイド第4版, 文光堂, p.98-99, 2021 より作成
■日ごろの体調管理
潰瘍性大腸炎が再燃する原因として、風邪(上気道炎)や過労が挙げられます。これらを避けるよう、日ごろの体調管理に気をつけましょう。
- 活動期
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- 軽症であっても長期の旅行、激しい運動(体育系のクラブ活動など)は控え、残業など過度の労働も控えてください
- 重症、劇症の場合は入院治療が必要となります
- 寛解期
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- 厳密な制限はありませんが、規則正しい生活を保ちましょう
- 過労や睡眠不足を避け、風邪をひかないように注意してください
日本炎症性腸疾患協会 編:潰瘍性大腸炎の診療ガイド第4版, 文光堂, p.99-100, 2021 より作成
■できるだけストレスのない生活
不安が生じたり、ストレスを感じたりすることもあると思いますが、自分に合ったストレス解消法を見つけ、できるだけストレスのない生活を心がけましょう。
不安や心配を強く感じる場合には、一人で悩まず、主治医に相談してください。

